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ニートが上京をしてプログラマーを目指します。

思い出し奇声~君たちと俺は既に会っている~

独り言がとまらない。思い出し奇声という奴だろうか。

駅前や電車内でなにやら叫んでいるおっさんを誰もが見たことがあると思う。

それが「俺」だ。

会社帰り、デート中、家族旅行、様々な場面で「俺」を見たことがあると思う。

ふとした日常に入り込んでくる狂気。臭気。それが「俺」だ。

読者の皆さんは既に俺に会っているのだ。

俺の独り言は爆発と言ってもいい。暴発と言ってもいい。

駅のホームで「殺す!」とか「レイプすんぞ!」とかそこそこ大きい声で言ってしまう。

電車の中で「殺す殺す殺す・・・」って言ってたら周りから人がいなくなったこともあった。小さい声で呟いてたつもりなんだけどな。

このことを知人に話した。

知人「暴力的な言葉は人の耳に届きやすいねん。そういうのに人は敏感になってるねん」

盆「物騒な世の中やな」

知人「物騒なのはお前やろ」

と突っ込まれた。

シェアハウス内でも爆発するから住人はたまったものではないだろう。

管理人から「独り言がうるさいです」と3回ほど注意を受けた。

その際には、精神の病のことをチラつかせて自分を守るという卑怯なやり方で難を逃れた。

この独り言が爆発するのは「恥ずかしい記憶や嫌な記憶を思い出した時」などだ。

この現象は珍しいものではないらしく「思い出し奇声」として2chにスレがたっているくらいだ。人前で奇声を発するのは珍しいだろうけど。

ただこれが会社でも止まらないから困ったものだ。

レイプしたい

とか

自殺したい

とか

殺す

とか

暴力が俺を口から発せられ、職場に「暴」が漂う。隣の席の人には聞こえているのだろうか? さすがに職場では凄い小さい声で言っていると思うけど。

もし聞こえているとしたらそれは俺の人間関係がうまくいかないのは当たり前だろう。

ビジネスというフォーマルな場で発せられる俺の暴力は最悪のノイズとなる。

仕事がうまくいってうれしいとき、

集中しているとき、

仕事に悩んでいるとき、

唐突に耳に届く「レイプしたい」の声。

誰が俺を愛せるだろうか?

思い出し奇声だけではなく頭の中の上司と会話をすることもある。

上司に言い返せなかった言葉を脳内にこびりついている上司の像に向かって乱射する。

夜道で上司に対して半沢直樹のように立ち向かっている浮浪者風の男、それが俺だ。

この独り言は止まらない。言おうと思って言っているわけではないから。

「よーし、レイプしたいって独り言言おうかな」

と思ってから叫んでいるわけではない。突然出るものだ。そう暴発の類に近い。

思い出し奇声は脳から出た信号によって発せられるのではなく、喉にある脊椎反射に似た機能によって起こるものではないか。そうだとしたら止めようもない。

自殺するしかない。

はは。

さあ、読者のみなさん。

今日もあなた達に会いにいきます。

花びらのようにひらひらいきて~。

 

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