HIPHOP浮浪者
無職を謳歌してる。
朝の七時に起きて、埼京線に乗り込み埼玉へ向かった。特に意味はない。
痴漢にあっている女の子がいたら助けてあげようなどと妄想をしながら満員電車に揺られる。痴漢にあっている女の子を捜すためにギラギラした目で周囲を見回している俺の姿は、痴漢にしか見えない。
適当な駅で降りたら酒をコンビ二で買って、酒を飲みながら歩く。
スーツを着たサラリーマンをにやにやと見つめる。
今この瞬間だけは俺の勝ちだ。その確信だけがある。
俺は90年代のHIPHOPが好きでよく聴いている。
人間発電所、大怪我、NITORO MICROPHONE UNDERGROUND,KUFU、どれも古臭いが聴いていると魂が震える。
平日の昼間から酒を飲みながらふらふらと歩いてHIPHOPを聴く。
「これぞ本当のHIPHOP浮浪者」
と言うのは楽しく過ぎる。無職・ニートは一度やってみるといい。
酒が入らなくなるとそこらのラーメン屋に入って、〆る。そして、アルコールと満腹で動かなくなったからだを引きずって近くの図書館で一休み。
しばらくして外に出ると寒い。
酔いは完全に冷めてる。
酒をまた買って飲むが朝飲んだ時の爽快感はない。
俺は涙を流す。
つらすぎるだろこの人生。