俺は6つの携帯・スマートフォンを紛失、破壊してきた男
今まで俺は全ての携帯・スマートフォンを紛失・破壊してきた。
第一犠牲者
初めての携帯は高校生3年生のときに親が買ってくれた。
「大学入ったらいるでしょ?」って。
買う前は「別にいらねえよ」って言ってた。友達がいなかったから。携帯は必要ないと思った。しかし、一度携帯を手に取るとどこでもインターネットができる手軽さに惚れて、常に弄繰り回していた。携帯を買ってくれたことに感謝した。
ある日、なくした。どこにもなかった。
コンビニ、学校、家、道路、公園、ありとあらゆるところに行った。しかし、なかった。
第二犠牲者
新しい携帯を手に入れた。親が購入してくれた。うれしかった。俺の時代がまた来たと思った。
ある日、踏んだ。
継ぎ目のところでぱっくりと折れた。指を曲げちゃいけない方向に曲げてしまうような感じで折れた。
泣いた。
だが、それでもしばらく使えていたのでテープを貼って使っていた。
しかし、その携帯もある日沈黙した。限界がきたのだ。
泣いた。
第三犠牲者
親がまた買ってくれた。踏んだ。泣いた。
第四犠牲者
初のスマートフォンiphone4だ。iphone(笑)などと言っていた俺も一度手に取ったらその利便性に吸い込まれた。ネットを非常に快適にできるし、音楽も自由につめ放題だった。常に自分の傍において、俺はiphone4を愛でた。
ある日、落とした。画面がぐしゅっとなった。
スマートな彼はもういなかった。
聡明だった赤木さんは死んだのだ。
第五犠牲者
iphone5。LTEで通信できるので格段に快適なネット環境を手に入れることができた。俺は流石に学習して、iphone5のスクリーンには保護シートを貼り、さらには強固なケースにいれた。この防御を突破できるものはいないと思っていた。
しかし、俺は保護シートを剥がしてしまった。
気泡が入って画面が見にくかったからだ。
ある日、ロードバイクに乗っている時に落とした。胸ポケットに入れていたから、ロードバイクの前傾姿勢の餌食になったのだ。
時速30kmで俺の愛しきiphone5は地面にダイブし、割れた。
慟哭
第六犠牲者
iphone6。発売日に購入した。iphone5の割れた画面を見るのは偲びなかったからだ。
iphone6は電池持ちが悪く、しかもなぜか発熱してしまう手がかかる子だった。
しかし、それでも俺は愛していた。
駄目な子でもかわいがっていた。
あの日、俺が地面に落とすまでは・・・・・・
そして誰もいなくなった
こんな人間が仕事できるわけがない。携帯を無くさず壊さず使うことすらままならない人間が、ビジネスの世界でやっていけるわけがないのだ。
壊れたiphoneを見るたびにこんなことを考えて憂鬱になる。
無職の俺に修理費用などあるわけがない。
頭が痛い。
たすけて。