【前編】スロットの代打ちを準引きこもりだった大学時代にしてた話
大学時代スロットの台打ちをしていた。
その時に学んだことは一つ
「スロットで勝てる人が本当にいるんだ」
ということだ。
何か情報商材臭い始まりになってしまったが許して欲しい。
別に最後に「あなたもスロットに絶対に勝てる黄金のルール30」とかを売るわけではないから安心してもらいたい。
大学時代、俺はバイトをしてなかった。
人が怖かったからだ。
お金は親の仕送りと奨学金だけでやりくりをしていた。友達がいなかった俺は付き合いの支出もなく、別にバイトをしなくても生活はできていたのだが、やはり金は欲しかった。
そんなときに、たまたま英会話のクラスで知り合った吉田(仮)にスロットの代打ちを依頼された。代打ちというのは、まあ、そのままの意味でスロットをその人の代わりに打つということだ。
吉田は周辺地域のスロット店情報を一年かけて調べ上げていたらしく、何日に、どの店で、どんなイベントがあるのかを把握していると言った。大学生にして月に25万円ほどスロットで稼いでいると豪語していた。
俺は疑った。スロット、パチンコをやったことはなかったが、あんなものは脳死状態の貧乏人がやるものだと考えていたからだ。
「さっそく今日来ない? 夜のイベントがあるんだよね。君が儲けた分の25%を分け前にしてあげるよ。負けても負けた分を払わなくていいから」
ついていくならタダだと思った。だから、その日の17時にスロット店の前に行ったのだ。
店に入ると、中は轟音が鳴り響いており即刻帰りたくなった。初めて入った人は誰でもあの音に驚くと思う。それほどの音の暴力だった。
帰りたかったのだが吉田に促されるままに前に進んだ。すると、人が並んでおり、くじを引いていた。どうやらそのクジで当たりを引くと、いい台に座れるらしい。
俺の順番が来てくじを引いた。
正直帰りたかったので「外れろ」と思った。しかし、当たった。
吉田もくじが当たったらしく喜んでいて、その姿を見てると
「まあ、別にもうちょっとくらい居てもいいかな」
と思うようになっていた。
俺が座ったのはエヴァンゲリオンの台。吉田から貰ったお金を通してコインを購入し、ゲームを開始した。コインは1枚20円。これを3枚使って1回スロットができる。120円の缶コーヒーを買うのすら躊躇う俺は、「カイジの沼も真っ青やないか」と感じた。
ルールはよく分からなかったのだが、隣に吉田も座っていたので、目押しなどをして貰いながら俺は楽しんだ。そう楽しんだのだ。即刻帰りたいなどと思っていた俺が知らず知らずのうちにスロットにのめりこんでいたのだ。
理由は簡単。
勝ってたから。
派手な演出と共に画面に表示される「ボーナス確定」の文字。ボーナスが確定するとコイン300枚くらい支払われる。6000円だ。じゃらじゃらと機械から20円相当のコインが大量に流れてくるのを見て興奮した。スロット台についている下皿がいっぱいになって、別の容器に大量の20円相当のコインを移す作業も楽しかった。
大量にあふれるコインを見ながら「いくらあるんだろう?」と思うと興奮した。
「こりゃ、麻薬やで」
とスロットの魅力に嵌ったときには閉店になった。結局途中で少しコインが飲まれてしまい、そのときは2万円を儲けた。それでも、俺の取り分は5000円。バイトをしてない俺には大金だ。
そして、その頃には吉田が月25万円儲けているという話を信じ始めていた。
こういうイベントでいい台に座れる日を見つけて、確実に勝てる時だけに打っていれば負けないんだろうな、と。楽勝やないか、と。
だが、その考えは甘かった。
この先には泥臭い現実が待っていたのだ。
後編へ続く。
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