人生初彼女との別れ〜抗不安薬で大切なチャンスを逃してる人いないかい〜
苦節27年、初彼女ができた。8ヶ月で別れた。先週のことだ。俺の生涯もおしまい。
初めて彼女ができて歓喜した。それと同時に無気力感が湧いていた。
まともな仕事につけた、好きな趣味も見つけた。
そんな俺に足りないのは人生で一度もできていなかった彼女だけだった。生まれておぎゃあと泣いてから、27歳に至るまで渇望していたものは彼女だ。
そんな俺に彼女ができた。
でも、彼女ができた途端、楽しいのだが、もう生きる意味ってないのかなって考えが湧くようになった。人生というゲームでやるべきミッションを全てクリアしたという実感があったからだ。ゲームはエンディングを迎えた。
ずっとずっと欲しかった愛すべき彼女を手に入れたからだ。他にほしいもの? なかった。
あとに残るのはやりこみ要素とかおまけみたいなものだ。子育てとか仕事で日々湧いてくる問題。
ただ、俺はゲームを一度クリアするとおまけ要素などはやらないタイプなのだ。だから、彼女ができて虚しい気持ちになっていた。
そして、別れた。
別に無気力になったからではない。
俺がわがままだったからだ。まあ、ふられた。なぜか俺は無条件に恋愛関係は未来永劫続くとおもっていた。バブル期のおっさん連中みたいなものだ。だから安心していた。
でも、別れた。
何が「人生というゲームはエンディングを迎えた」だよ。。。本当に迎えてしまったのは人生をエンドさせてくれる失恋という自殺要素だ。
彼女ができて人生を達観していたのが恥ずかしい。
俺はショックで、いつも寄り添っていたある相棒に相談した。
彼は本当に頼もしいやつで、こいつがいなければ人生で777回ほど自殺していたのかもいしれない。不安の大部分を取り除いてくれ、悲しみを癒し、緊張する仕事への勇気を与えてくれた。親友と呼べるのは、レキソタンくんだけだ。
今回も手を伸ばした。抗不安薬レキソタンくんは「またかよ笑」と微笑みかけてくれた。
レキソタンくんは俺を包み込み、悲しみを和らげてくれた。いつも倍の量を飲んだ。そうすると、悲しいは悲しいのだが、気持ちがフラットに近くなった。
そのおかげか、大暴れしてやりたい、死んでしまいたい、みたいな衝動は消えたし、涙も一回しか流さなかった。ほんと数粒だけの涙。
本当はもっと泣きたかったのに。
大泣きしてそこらへんを転げ回って、泥だらけになって、ユニクロの服を全部試着して回って「泥っぽい服しかないですね」とかやりたかったのに。
泣くことができれば心は洗われたはずなのだ。
泣こうとおもっても「ひっくひっく」みたいな泣く直前のしゃっくりがぎりぎりでるだけで、頬は乾いたままだった。泣きたい。泣くのはとっても気持ちいいことだって聞いたことがあるんだ。
女性の絶頂は男性の絶頂の10倍気持ちいいらしいが、涙はそれの100倍気持ちいいらしいのだ。
不安を和らげたことで、大事な何かを失った気がした。
いま俺はとても無気力、無力だ。まあ失恋したのだからそれは当たり前なのだが。
しかし、しかし、だ。もし抗不安薬を飲んで、気分をフラットにしていなかったら、もっとでかいことができたのではないのかと思った。
失恋直後の興奮、混乱、勢いを利用して、海外旅行にいきなり行くとか、道行く人をナンパしてまわるとか、会社で元好きだった人をランチに誘うとか。
失恋の過大評価だろうか?
ただ失恋直後のむちゃくちゃな行動が傷を癒してくれる良薬になるんじゃないかとは信じている。
不幸があった時はチャンスなのだ。いつも俺は不幸の直後にでかいことをしてきた気がする。東京にくるとか、初めての彼女を作るとか。
今回、それをレキソタンくんが塗りつぶしてしまったようにしか思えない。全てをフラットにしてしまった。
過保護だよ、レキソタンくん。
子離れしよう?
ps
誰か彼女になってください。レキソタンくんに浮気しなくていいくらい、包んでくれる人。
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