25歳ニートが35万円で上京を企むブログ

ニートが上京をしてプログラマーを目指します。

【後編】スロットで月給25マンを稼ぐ吉田君の代打ちをしてた話

前編はこちら。

【前編】スロットの代打ちを準引きこもりだった大学時代にしてた話 - 25歳ニートが35万で上京を企むブログ

 ゲーム感覚でスロットを打って、遊んで、楽して5000円ゲット。今思えば、バイトをしていなかった俺が初めて稼いだお金があの5000円だったのかもしれない。

 本当に素晴らしい体験だった。

 20円相当のコインがスロットマシーンからじゃらじゃらと出てくる。

 20円相当のコインが容器に山盛りになる。

 初めて代打ちをした日以来、その圧倒的な光景が俺の脳裏に焼きついて離れなかった。

 次の吉田の連絡を切に待ち望んだ。

 数日後、吉田からの連絡は来た。

 そして、「楽して金儲け」とは少し違う泥臭い戦いが始まった。

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 スロット業は泥臭かった。

 例えば朝七時に起きて台取りをした

 これは1番早く並んでいた人が一番に台を取れるわけではなかった。

 大体は先着順でくじを引き、そのくじの番号順に並ぶというものだった。ここでいい番号を引かないと台は取れなかったのだ。くじ運がなければ早起きは無駄になる。

 しかし、いい番号を引いて、狙っている台に座れてもそれが高設定とは限らない。(高設定とは、儲けられるおいしい台のこと。)

 例えば、エヴァンゲリオン全6台のうち、1台が高設定であることは分かっているが、6台の内どれが高設定なのか分からないと言った具合になっているのだ。

 つまり、早起きをして、運よくいい番号のくじを引けて、運よくエヴァンゲリオンに座れて、運よくそれが高設定であった時、初めて儲けることができるのだ。

 吉田が代打ちを求めていた理由はこれだ。一人より二人の方が当たりくじを引きやすいし、高設定も取りやすいのだ。少しして分かったが、吉田は別のスロット仲間もいて、乗り打ちをしていた。乗り打ちとは、二人で軍資金を出し合ってスロットを打って、儲けを折半することだ。当然、負けたら損失も折半する。

 とにかく、人数を集めて台取りをして、いい台に座るのが吉田の戦略なのだ。

 まあこの吉田の戦略はよくできたものだったし、俺も儲けさせてもらった。

 しかし、一ヶ月もした頃には嫌になった。

 例えば、いい台に座れなかった日が苦痛なのだ。

 いい台に座れなかったら、いい台に座れた人の周りをうろちょろしてその人が辞めるのを待つ。1時間でも2時間でも待つ。足が非常に痛くなったし、儲けている人の周りをうろちょろするのはまさに「ハイエナ」で空しくなった。

 台が取れる気配がなさそうだと吉田が判断したら俺も帰る許可が貰えた。朝早く起きて呼び出されて、疲労して、無為に時間を消費しても、俺の儲けはなかった。

 また吉田に呼び出されても何もない日もあった。呼び出されたので高設定でも見つかったのかと思って行ったら、何もない。いくつかの店をぐるぐる回って、収穫がなさそうだったら解散。当然俺の儲けもない。

 同級生は彼女を作ったり、サークルで経験を積んだりしている中で、俺はスロット店をぐるぐる回る。自分の意思で回るのならいいが、同級生に追従して回るのだ。心が磨り減らないわけがない。

 さらに苦痛だったのが負けた時だった。

 いい台に座れてもスロットは負けるときは負ける。そういうものだ。

 大当たりがないまま、1万、2万、3万とスロット台にお金が飲み込まれていく。

 お金がなくなるたびに吉田に「1万円なくなったからください」と言いにいかないといけなかった。

 吉田は決まって不機嫌になって「何やってんの?」と俺を責めた。しかし、スロットは運なのだ。俺のせいではない。俺だって出せるものなら出したい。でも出ないのだ。星が悪いのだ。

 がんばって何時間打っても、5万円負け、ということもあった。

 吉田「負けたけどよくがんばったな!」

 

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である。

 

台取りのために無為に消費されていく時間。

負けたときの気まずさ。

それらが組み合わさってもう辞めたくなっていた。

始めの頃は気にならなかったが、吉田の俺を見下すようなニュアンスの発言が気になり始めた。「盆は、暇で金もないからいつでも来るよな」的な。

辞めたきっかけは俺の独立志向だった。

あるイベントの朝に俺は「自分の金で自分で一回打ってみたい」と吉田にためしに言ってみた。吉田もよく「お前もそのうち代打ちじゃなくて自分ひとりの金で打てるようになれよ」と言っていたから認めてくれるかもしれないと思っていた。

しかし、吉田は怒った。

「俺を裏切るのか! それに、ここは俺の情報で知った店やろうが!」

と。「独立目指して頑張れよ」と言っていたブラック企業の社長が「独立する」と言った瞬間キレるみたいなものだろうか。

ただ、吉田の言うことも理解できた。第一、俺が一人で売って一人で買っても吉田に取り分はない。

なんにせよ、これで気まずくなって吉田は俺を誘わなくなったし、俺も吉田にそれから会うこともなかった。

スロットは辞めた。吉田に顔を合わせたくはなかったからだ。

いろいろこの話から学べるかもしれないが、やはり俺が思ったことはただ一つだ。

「スロットは本当に稼げる」

ということだ

よく「スロットで勝てるやつなんていねえよー!」とか言っている人間がいるが、俺はそういう奴を見てほくそ笑む。

「俺は知ってるぜ、スロットで勝ってた人間を!」と。

いや、別に誇らしくはないんだけど。

 しかし、思っていたよりはスロットも楽ではなかったが、普通にバイトをやるよりは楽だったろうなと今では思う。

 

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