純朴さを金にするなら専業主婦しかないのか
優しさは金に変わるのか。
元カノは仕事ができない人だった。
気丈に振舞ってはいたが、口から漏れる仕事の話は苦痛に塗りたくられていた。
仕事でよく怒られているみたいだったし、話す相手もいなくて浮いているようだった。仕事も全然続かないタイプの子で、真面目なんだけど、仕事ができないからどうしても居づらくなってしまうらしい。
運良く彼女でもできる仕事が見つかってもそういう仕事は、ハードだったり給料が安かったりとなかなか継続が難しい仕事みたいだった。
彼女はとても純朴で、優しかった。気遣いができるし、お弁当を作ってくれたり、とてもいい子だった。
俺が甘えると優しく髪を撫でてくれたりもした。
でも、その優しさみたいなものはお金にはならないみたいで。仕事はダメだった。
とても優しい彼女。
でも、職場では多分「仕事ができない」「暗い」などという冷たい評価と視線を浴びてたんだろう。
彼女を見ながらよくこう思ってた。
なんでこんな良い子がそんな冷たい視線に突き刺されないといけないのだろう。
俺の目の前にいる彼女と仕事場にいる彼女がどうしても俺の頭の中で一致しない。
仕事場の人たちよ、この彼女を見てくれ。あなたたちが見ている根暗な女性社員は本当はそうじゃないんだよ。
それで、この彼女に合う仕事はなんだろうって考えて、思いついたのが専業主婦だった。
家庭が仕事場だとすると、その働きを評価するのは俺だ。
彼女を一番評価している俺が彼女を妻として雇うのだ。
とてもそれはいい考えだ。目の前にいる優しい彼女と仕事場にいる彼女が一致するのだ。
ああ、大丈夫ですよ。例えですから。専業主婦は仕事じゃないとかお前は雇い主じゃないとかそういう話は揚げ足とりです。この例えがいやなら、
「俺と彼女で家庭を共同経営をしたい」
と言い換えてもいい。
とても反感を呼びそうなことを書いた気するが、その反感は気のせいです。その反論は全て気のせいです。届く人は届くし、届かない人には言葉を重ねても届かない。とても疲れているので今から風呂入って寝る。朝起きたら炎上してました〜、なんてやめてよね。
俺は、彼女を通して感じた社会の息苦しさを1ミリでも共感して欲しいと思う。
金には変換できないその人の魅力を掬い上げたい。
それだけなんです。
人気記事